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ディスカッション:“学びの場”としての映画館Ⅱ
映画館が「クリエイター」を育成する(2)

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2025年1月23日

「“学びの場”としての映画館Ⅱ 映画館が「クリエイター」を育成する(1)」はこちら≫


全国コミュニティシネマ会議2024採録

ディスカッション:“学びの場”としての映画館Ⅱ

映画館が「クリエイター」を育成する(2)


登壇者:

佐々木伸一[全国興行生活衛生同業組合〈全興連〉会長/佐々木興業株式会社会長]
志尾睦子[コミュニティシネマセンター代表理事/NPO法人たかさきコミュニティシネマ代表]
岨手由貴子[映画監督/action4cinema]
林健太郎[株式会社U-NEXT映画部部長]
青木俊介[経済産業省文化創造産業課総括係長]
田村順也[文化庁参事官(芸術文化担当)付芸術文化調査官]

司会:

とちぎあきら[コミュニティシネマセンター理事/フィルムアーキビスト]


経済産業省、文化庁の映画振興策

とちぎ:

本日、経済産業省と文化庁から映画振興の担当の方にお越しいただいておりますので、それぞれの省庁で映画振興に関して取り組まれていること、とりわけ上映や普及活動に関して取り組まれていることをお話しいただきつつ、始まったばかりの映画戦略企画委員会で、これからどのような議論が進められるのかといったあたりを聞かせていただければありがたいと思います。

―経済産業省の映画振興策

青木俊介:

まずは経済産業省の施策を簡単にご紹介いたします。

経済産業省の中の文化創造産業課が、映画をはじめ、ゲームやアニメ、漫画、音楽、アート、ファッション、デザインといったコンテンツを含む分野に対する支援を行っております。今回、コンテンツ産業について政府としても取り組むべきということで“新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版”の中に盛り込まれています。経済産業省としても、コンテンツ産業が日本の誇るべき文化であり、それに加え“稼げる力”があるという点に特に着目しています。日本発のコンテンツの海外での売上高は半導体産業の輸出額などとも肩を並べるほど大きく、重要であると考えています。

ミニシアターへの支援とは直接結びつかないかもしれませんが、実行計画では、海外市場の獲得ということが念頭に置かれ、海外展開及び世界に通用するコンテンツの制作・流通の促進、国際舞台での活躍が期待されるクリエイターやプロデューサーの国際的なネットワークの形成、作品の翻訳や吹き替え等のローカライズの支援等も記載があります。そのほかにも、エンタメ分野のスタートアップや、日本貿易振興機構(JETRO)の海外事務所の活用といったことなども記載されています。

コンテンツ産業への支援ということでは、経済産業省では「我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金(通称:J-LOX+、Japan content LOcalization and business transformation(X) Plus)」を整備しています。こちらの補助金は、大きく分けると、デジタル化支援、制作やロケ誘致の支援、プロモーション等の海外展開支援という3つのメニューがあります。例えばデジタル化支援では、Web3や生成AI等の新しいデジタル技術を活用したビジネスに対する補助などがあり、制作支援では、制作費の支援とともに、海外からの資金調達を促すためのピッチ開発等への支援をしています。ロケ誘致の観点では、海外作品の製作に日本の製作会社が参加し、その作品が日本で撮影されることにより、人材の育成につながるといった側面からも支援をしています。海外展開支援では、海外向けのローカライズ&プロモーション支援として、翻訳や吹き替え、海外の展示会でのプロモーションの支援といった補助金が用意されています。このほかにも、海外展開において現地拠点での支援がほしいというお声をたくさんいただいており、経団連の提言等も踏まえて、一部のジェトロ海外現地拠点にコンテンツ専門の人材を配置するなど、海外展開・ビジネスマッチングの支援をしています。

経済産業省としては、実写・アニメ問わず、波及効果ということも含めて経済的に“稼げる力”があるという側面も重要視をしていきたいと考えています。

「映画上映活動年鑑」等で、コミュニティシネマのレポートを事前に拝見させていただいており、現在DCPの更新時期であること、ミニシアターの経営自体がかなり苦しいという状況の中で、経産省で何ができるのか、是非勉強させていただきたいと思っています。文化発信の拠点としてのミニシアターという側面をどのように発展させるのか、どのようにすれば映画館の経営改善ができるのかといったことについては、経済産業省としても、ミニシアターで映画を見てきた私個人としても大変興味があり、皆さんのお話を聞かせていただきたいと思っております。

文化庁の映画振興策

田村順也:

文化庁では、大きな柱としては若手映画作家等の人材育成と製作支援、海外への展開を掲げ、日本映画の創造・振興プランに取り組んでいます。映画をつくる人を育てるという観点から、大学生や専門学校の学生に映画現場を経験してもらうインターンシップのような形で映画業界への第一歩を経験する支援をしています。また、短編映画の制作を通じて技術や知識を習得する機会を提供し、プロデューサーと連携して企画や脚本開発のサポートを行う「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」も実施しています。優れた日本映画や国際共同制作の映画の製作に対する支援を行い、多様な作品の上映に寄与しています。また、日本映画の海外発信として、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際アニメーション映画祭、トロント国際映画祭にジャパンブースを出展するなどして日本映画の魅力を発信し、招待作品の渡航支援等も行っています。また、ジャパンブースを活用した海外の映画人との交流、ネットワーク構築などにも力をいれたいと考えています。

本年度からは、日本と韓国の芸術系大学を対象に映像分野におけるグローバルネットワークの構築を行っています。また、令和5年度補正予算として文化芸術活動基盤強化基金「クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業(クリエイター等育成プロジェクト支援)」も始まりました。クリエイター育成・支援は、世界に誇る我が国のマンガ、アニメ、音楽、現代アート、伝統芸能等の次代を担うクリエイター等による作品や公演の企画・交渉・制作・発表・海外展開までの一体的な活動を、5年程度の活動目的の下で、3年程度弾力的かつ継続的に支援するというものです。映画分野でも、海外の企画マーケットに参加し、国際映画祭への出品の機会や、ネットワークコミュニケーションの機会を増やし、国際的に活躍できる人材を育成したいと考えています。

こうした支援によりできた作品が、ミニシアターなどの映画館で上映されることで、日本映画の文化の一層の振興をはかり、海外における日本映画に対する評価の維持向上と日本映画のブランドの確立を目指していきたいと考えています。上映や流通に関しては、海外発信力のある国際映画祭への支援、それから日本芸術文化振興会が実施している日本映画の上映活動に関する助成事業などがあります。各地のコミュニティシネマやミニシアターが行う独創的なプログラミングなど、日本映画の新たな魅力を発信する特色ある上映機会の支援を行っています。

クリエイター支援資金

とちぎ:

新しい資本主義の実行計画には、関係省庁の予算を統合する形で、いわゆる“クリエイター支援基金”をつくるということが書かれているのですが、各省庁から考えれば、いままで積み上げてきたことが、統合されることによって削られてしまうとか、全然違った方向にいくのではないかという抵抗感があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

青木:

統合されることで削られるという考えはありません。経済産業省と文化庁等の省庁が映画産業に対して支援メニューを持っていますが、支援メニューが複数の省庁に分かれていてわかりにくいということから、それぞれの予算がある程度統合されて示されることによって、どのような補助が行われているのかがわかりやすくなるのは、産業全体にとって非常に有益であると考えており、予算が削られるというような後ろ向きな考えはありません。

クリエイターの作品が上映される場としての映画館への支援の重要性

佐々木:

佐々木伸一さん

国の施策等では常に、クリエイター支援や海外展開に着目されます。クリエイターを育てるのが大事なことだというのはわかるのですが、ミニシアターをはじめとしたアートハウスがなければ育ったクリエイターの作品発表の場がなくなってしまいます。つまり、日本の重要な産業であるコンテンツ産業の新たな担い手が、ミニシアターがないと生まれてこないということは、割とわかりやすい文脈だと思うんです。今回も要望で入れさせていただきましたが、国のお金で育てたクリエイターの作品の発表の場に対する支援をなぜお考えいただけないのかと、いつも思います。現在も映画館では喫緊の課題として、デジタルシネマ機の買換えという大規模な設備投資が求められていることがあり、それに対する支援を要望すると、活用できる支援策として中小企業庁の持続化給付金等、既存の支援事業をご紹介いただくのですが、新たな販路拡大や経費削減というテーマがなければ、単なる機器の更新では補助をしていただけません。ミニシアターがないと、新たな日本のコンテンツの担い手が育たないというのは明確な事実だと思いますので、ぜひそのあたりを考えていただきたいと思います。

とちぎ:

いまの佐々木さんの問いに対してはダイレクトにお応えしにくいと思いますので、少し回り道をして、林さんに配信事業者という立場から、人材を育てるということとどう結びついていくのかということについてお話しいただけますでしょうか。

配信事業と人材育成

映画祭との連携

林:

U-NEXTでは、映画業界との取り組みのひとつとして、映画祭との連携を行っています。きっかけは2020年から拡大した新型コロナウイルスでした。日本全国の映画祭が開催中止となったり、規模縮小を余儀なくされたりする中で、われわれとして何かできないかと考え、“オンライン会場”としてU-NEXTを活用していただく取り組みを行いました。現地開催に合わせてTVODでオンライン配信することもできますし、映画祭が終わってしばらく経ってから見放題で配信することもできます。あるいは前年までの受賞作をU-NEXTで視聴できるようにして、最新作は映画祭に足を運んで見てもらうといった様々な方法で取り組みまして、現在、50の映画祭との連携が実現しています。各地域で映画文化を支えてこられたのが映画祭だと思いますので、そういった社会的な意義のある、若手クリエイターの育成や発掘の受け皿でもある映画祭のお手伝いができればと考えています。

また、UNEXTの約430万人の会員のうち、約半分の200万人以上のユーザーが映画を定常的にご覧になっているのですが、アンケート調査によると、そのうちの約30万人はかなりのコアユーザーで1年間に12回以上映画館で映画をご覧になっている。ここは重要な映画コミュニティになっているのではないかと思います。U-NEXTでは、それぞれの映画祭の特集ページをつくり、その特集ページをSNSで拡散したり、その30万人の方々の目につくように、会期中はトップページに固定したりするなどして後押しをしており、監督や役者をはじめ作品に関わる方々には非常に喜ばれています。

図7:U-NEXT映画祭応援ページ

https://www.video.unext.jp/lp/film_festival

映画館との共存関係

映画館との連携という点では、U-NEXTポイントを映画館のチケットに交換できるサービスを2013年からスタートさせました。いまのところ大規模な映画館のみでミニシアターとの連携はないのですが、今後一層網羅性を高めていきたいと思っています。現時点では、80数%のスクリーンでU-NEXTポイントが利用でき、昨年は77万人の方々をU-NEXTから映画館へ送り込むことができました。これは、興行動員の約0.5%程度で、早く1%以上をU-NEXTから映画館に送ることができたという実績をつくりたいと考えています。

映画館と配信は競合関係にあるとよくいわれるのですが、我々は完全に共存関係だと思っています。ただ、ここには先ほどお話ししたウィンドウと価格帯をしっかり守れば、という注釈が付くと思います。実際、洋画大作が劇場公開からすぐに見放題配信されることが続いた結果、そのジャンルの映画興行が当たらなくなったという過去の事例もありますので、それだけはやってはならないと思っています。「映画館こそが、映画を映画たらしめている」ということを念頭に、これからも映画館と共存関係で取り組んでいきたいと考えています。

図8 2500スクリーン以上の映画館と連携 

最後に、U-NEXTがやりたいことのまとめです。まずアーカイブをSVODでとにかく増やして、多くの方々にアクセスしやすいようにすることで、若い人たちが新たな監督や役者、ジャンルにはまるというきっかけをつくり、その後、その監督や役者、ジャンルの新作が公開されたときにはU-NEXTポイントを使って映画館でご覧いただく。残念ながら映画館で見逃してしまったり、近くの映画館で上映されなかった場合は、TVODでご覧いただく。そしてまたアーカイブはSVODで見ていただく、という循環を生み出したいと考えています。映画は習慣性のエンタメだと思いますので、習慣性を途絶えさせることがないように、この循環をぐるぐる回して、結果、日本の映画人口を増やしたいというのが、我々の最終目標です。

図9 映画の習慣性を維持できるサービスに

林健太郎さん

映画館からクリエイターが生まれる

とちぎ:

配信側からの発言を受けて、逆に映画館の方から配信に対して何か提案ができるようになると、これから面白くなると感じます。本日の最初のセッションでもありましたが、子どもの頃から映画館に行って映画を見ることが習慣になり、映画の観客になったことによって、クリエイターが生まれるというのが当たり前のことかもしれません。クリエイターだけでなく映画を支えている人たち、上映者や配給に携わる人たちも、映画館で映画を見るところから生まれてくると考えれば、是枝監督もおっしゃっていましたが、“業界のセーフティネット”としてミニシアターを育てていかないと、人材が育たないのではないかということは、誠にその通りだと思います。岨手監督には、先ほどのお話でも少し触れていただきましたが、作り手と映画館との関係についてもう少し補っていただけますでしょうか。

岨手:

岨手由貴子さん

先ほど佐々木さんがおっしゃったことには私も全く同感です。映画が非常に好きで、少しやってみて自分はやっていけるかもしれないという感触がある人をフックアップして育てるだけだと裾野は広がらないと思います。クリエイター支援は非常に重要ですが、まずは観客を育てるという視点が重要だと思います。ミニシアターなどの映画館がない状況で育った若年層には映画監督になる可能性が断たれてしまいます。映画館で映画を見て友だちと感想を語り合うようなことは、映画を見るという体験・環境の底上げをしないとできないと思います。先日、ニュースで読書離れについて取り上げられていました。私にも子どもがいて、毎日読み聞かせをします。幼いときの読み聞かせの体験がないと、小学生になって児童書を読むことはないと思います。エルマーから始まり、ハリーポッターを読んで、ライトノベルを手に取るというステップがあるから、大学生になって、自分の好きな作家の本を読むという読書体験が継続するわけですが、読み聞かせで本に出会ったことがないのに、いきなりノーベル文学賞を取れと言われても、それは無理な話だと思います。つまり、まず、映画を見るという体験自体を広く普及させる必要があって、映画を見るという習慣を底上げすることが重要です。優れたクリエイターの卵が海外留学の機会等を通じてブラッシュアップすることを支援する制度があることは非常によいとは思いますが、卵が生まれるにはやはりミニシアター、コミュニティシネマという存在が不可欠ではないかと思います。

とちぎ:

これまでのご議論を聞いたうえで青木さんと田村さんからコメントを頂けましたら幸いです。

青木:

まずは映画を見る、見せることで、映画監督をはじめ映画業界に入りたいという人を増やし、映画産業が大きくなっていくという点で、ミニシアターの存在が重要ということには議論の余地はないと思います。そうした中で、政府として、いかに全体として映画産業を盛り上げていくかが重要だと認識していますので、映画戦略企画委員会が始まったばかりですけれども、今後の議論も踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えています。

田村:

私自身も大学生の頃は1年に約200本を映画館で見て、映画というのは本当にいいものだと感じてきました。日本で年間1000本を超える作品が公開される中で、その大部分をミニシアターが上映しているという現状があります。先ほど上映された監督たちのメッセージでもミニシアターへの強い思いが語られていましたが、私自身も様々な機会にクリエイターからミニシアターの重要性について伺うことが多いです。世界的に評価の高い監督たち、作り手たちが育ってきた育成の場でもあるというところで、今後様々な方にヒアリングなどをしながらにはなると思いますが、今後研究してまいりたいと考えています。

佐々木:

映画戦略企画委員会の委員の中には、是枝監督や、東宝の松岡社長が入っておられますが、日本の映画文化を支えているミニシアター関係者の意見も吸い上げていただきたいと強く思っておりますので、是非メンバーのご推薦の機会がありましたら、そういうことでお願いできればと思います。

とちぎ:

是非ご検討いただいて、そのように進めていただけたら幸いです。

最後に、志尾さんから、今回のこの議論を踏まえ、コミュニティシネマセンターの代表理事というお立場でコメントをいただければと思います。

新しい映画振興策に求めること

志尾:

この会議で何をお話ししようかと考えながら、この20年を振り返ってみました。“コミュニティシネマ”という名称で私たちが進み出した大きなきっかけとなったのが、2001年の「文化芸術振興基本法」の公布でした。映画がメディア芸術のひとつに位置付けられ、国の文化施策として振興されるべき対象となったということは、私たちは国の文化施策の一翼を担っているといえるようになったということであり、私を含め、ここに集まる日々上映活動をしている皆さんにとって重要な意味をもっています。大変な状況で活動する中で公的な支援を求めたいというときに、我々は文化の一翼を担っているのだから、と言えるようになった点でも非常に大きかったことを思い出しました。

2003年には文化芸術振興基本法のもとに議論された映画振興策について「12本の柱」が設定され、私たちもその中にあって、多種多様な映画を見ることができる環境を整えること、地域格差を埋めるということを必死にやってきました。日本映画はもちろんのこと、世界各国の映画を、多様な映画を上映するために、ただ、好きだからというだけでなく、私たちが映画文化を背負ってやっているのだと自負しながら取り組んできました。

けれど、映画館をはじめとした上映の場に対する支援はなかなか実現しませんでした。映画館支援の実現のために奔走する中で、なぜこの壁を突破できないのかと考えたときに、あんなに私たちが力を込めて力説してきた文化芸術振興基本法にも、そして12本の柱の中にも、“映画館を支援する”という言葉が謳われていないからだと気づいたときの落胆は非常に大きかったです。

「12本の柱」から20年が経過して、映画を取り巻く環境はすさまじい勢いで変わっています。日本映画の振興をどうしていくのか、いままさに、新しい振興策の立案が進められようとしています。“クリエイター支援”というキーワードのもとに、映画振興について議論が行われています。先ほど佐々木会長が言ってくださいましたが、クリエイター育成という目的達成のための手段というところに、私たち上映者が確実に関わっているのだということを強く申し上げたいと思います。これから、この議論は様々な形で進んでいくのだと思うのですが、そうした中で製作支援や海外展開はもちろん非常に大事だと思うのですが、そこにとどまることがないように、抜本的な見直しがされることを、希望を持って熱望したいと思います。 

先ほど上映された監督たちのメッセージの中で、小田香監督が、映画をつくっただけでは意味がなく、つくったあとに映画館で上映されたときに始まるという言葉の使い方をされていました。私自身も、人様に見てもらわなければ映画が完成したことにならないということを前代表や上映者の皆さんに教えていただきました。それは上映者や制作者を含めた多くの映画人が持っている感覚だと思います。そういう、映画を上映する大事な場を私たちは守りたいし、その仕事に誇りを持ち続けたいと思っています。今後の映画業界に対する支援策において、映画館や映画を上映する場を守るということへの支援も是非とも取り入れていただきたいと思います。上映をする場所を守る若い人たちのためにも、その振興策の中に、映画館や映画上映の場という視点も入れていただけたら大変ありがたいと思っている次第です。(拍手)

とちぎ:

ミニシアターをはじめとした映画館は、観客に映画を届けるという社会的な責任をずっと果たしてきたことは、これまでの議論からも明らかです。その中には、新たなクリエイターを育てていくという働きもあり、それを継続させるためには、組織そのものが持続可能なものにならなくてはなりません。そのために具体的な施策として何ができるのかということを関係者の皆様、それから省庁関係の皆様と議論を続けて、具体的な成果が出るようにこれからも議論を継続させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。


2024年9月19日 全国コミュニティシネマ会議2024イン川崎

全国コミュニティシネマ会議2024イン川崎は、2024年9月19日[木]・20日[金]川崎市アートセンター他にて開催した。

《全国コミュニティシネマ会議ホームぺージ》 http://jc3.jp/wp/conference/

主催:一般社団法人コミュニティシネマセンター
共催:公益財団法人川崎市文化財団  協力:日本映画大学
後援:川崎市/神奈川県興行生活衛生同業組合/「映像のまち・かわさき」推進フォーラム
   NPO法人KAWASAKIアーツ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業・芸術家等人材育成)
   独立行政法人日本芸術文化振興会/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

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