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【特集】NFAJ所蔵外国映画選集 2021

シネマテーク
  • 東京都
開催期間:5月6日[木]~23日[日]

| 日 程 |  

2021年5月6日[木]~5月23日[日]


| 会 場 |  

国立映画アーカイブ


| 内容 |  

1.予審Vorunterſuchung(90分・35mm・白黒)

  • 2021年5月8日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月13日(木) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月18日(火) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU

1931(ドイツ:ウーファ)(監)ローベルト・ジーオトマク(原)マックス・アルスバーグ、オットー・E・ヘッセ(脚)ローベルト・リーブマン(撮)オットー・ベッカー、コンスタンティン・イルメン=チェット(美)エーリッヒ・ケッテルフート(出)アルベルト・バッサーマン、グスタフ・フレーリッヒ、ハンス・ブラウゼヴェッター、シャルロッテ・アンダー

アパートで起きた殺人事件を捜査する予審判事(バッサーマン)は、息子(ブラウゼヴェッター)が事件に関係していると知る。のちにハリウッドに渡り、フィルム・ノワールを中心に活躍するローベルト・ジーオトマク(ロバート・シオドマク)監督が、追い詰められた男たちを描きだす。日本では1932年に公開され、映画監督の伊藤大輔が当時のインタビューで、音の演出で感心した作品に挙げている。

2.制服の処女Mädchen in Uniform(89分・35mm・白黒)

  • 2021年5月8日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月14日(金) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月20日(木) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU

1931(ドイツ:ドイチェ)(監)レオンティーネ・ザーガン(原・脚)クリスタ・ヴィンスロー(脚)F・D・アンダム(撮)ライマール・クンツェ、フランツ・ヴァイマイヤー(美)フリッツ・マウリシャット、フリードリッヒ・ヴィンクラー=タンネンバーグ(音)ハンソン・ミルデ=マイスナー(出)ドロテア・ヴィーク、ヘルタ・ティーレ、エレン・シュヴァンネッケ、エミリア・ウンダ

女性監督レオンティーネ・ザーガンの初監督作。登場人物はすべて女性で、全寮制の女学校が舞台。生徒(ティーレ)の教師(ヴィーク)に対する恋心を描くとともに、権威主義的な教育制度を批判している。日本でも、川喜多かしこが本作に惚れ込んで配給し、『キネマ旬報』で1933年の外国映画第1位に輝くなど、大きな評判となった。

3.春の驟雨Tavaszi zápor(68分・35mm・白黒)

  • 2021年5月11日(火) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月19日(水) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月23日(日) 1:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1932(ハンガリー/フランス:フンニア・フィルムステュディオ/オッソ)(監・脚)パウル・フェヨシュ(脚)イロナ・フュロプ(撮)ペヴァレル・マーリー、イシュトヴァーン・アイベン(美)セルジュ・ピメノフ(音)ラースロー・アンギャル、ギオルグ・ラーンキ、ヴァンサン・スコット(出)アナベラ、イロナ・ダイブカート、イシュトヴァーン・ジェルジ、シャーンドル・ペテシュ

『都会の哀愁』(1928)などハリウッド映画でも知られるパウル・フェヨシュが、故国ハンガリーで監督した名篇。女中として働くマリー(アナベラ)は、男に誘惑され身ごもり、シングルマザーとなる。天国の母親が娘を護るために春の夜の驟雨を降らすというハンガリーの伝説に基づく物語。『巴里祭』(1933、ルネ・クレール)などでも知られるアナベラが主演。

4.脱走者Дезертир(106分・35mm・白黒)

  • 2021年5月15日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月21日(金) 6:10 PM@長瀬記念ホール OZU

1933(ソ連:メジラブポム)(監)フセヴォロド・プドフキン(脚)ニーナ・アガジャーノヴァ=シュトコ、M・クラスノストフスキー、A・ラゼブニコフ(撮)アナトリー・ゴロヴニヤ、ユーリ・フォーゲリマン(美)セルゲイ・コズロフスキー(音)ユーリ・シャポーリン(出)ボリス・リヴァーノフ、ヴァシリ・コヴリーギン、タマラ・マカロヴァ、セミヨン・スワシェンコ

『母』(1926)や『アジアの嵐』(1928)などの作品で知られるフセヴォロド・プドフキンのトーキー第1作で、造船所の労働の場面や、ブルジョワジーを批判的に描いたシーンなど、効果音や音楽の使い方が印象的。ヒトラー政権誕生前夜の1932年のドイツ・ハンブルクが舞台。ストライキに疲れた若者(リヴァーノフ)は逃避のために、労働者代表という名目でソ連へ向かうが、その心境を一変させる知らせを受ける。

5.旅する人々Fahrendes Volk(106分・35mm・白黒)

  • 2021年5月9日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月18日(火) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1938(ドイツ:トビス)(監・脚)ジャック・フェデー(脚)ジャック・ヴィオ(撮)フランツ・コッホ、ヨーゼフ・イリッヒ(音)ヴォルフガング・ツェラー(出)フランソワーズ・ロゼー、ハンス・アルバース、カミラ・ホルン、ヘルベルト・ヒュープナー

旅まわりのサーカス一座に逃げ込んできた脱獄囚(アルバース)は、猛獣使いフローラ(ロゼー)の昔の夫だった…。『女だけの都』(1935)や『ミモザ館』(1935)でフランス映画の一時代を築いたジャック・フェデーとフランソワーズ・ロゼーによる珍しいドイツ映画。猛獣を前にロゼーは堂々たる演技をみせている。上映はドイツ語版だが、フランス語版も製作された。

6.続・深夜の歌声夜半歌聲 續集(107分・35mm・白黒)

  • 2021年5月7日(金) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月16日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1941(中国:新華製片廠/中国聯合影業公司)(監・脚)馬徐維邦(撮)余省三(美)仲永源、芽愚言(音)章正凡(出)談瑛、劉瓊、洪警鈴、王竹友

『深夜の歌声』(1937、馬徐維邦)の好評により続篇として作られたものだが、役を演じる俳優は全員が入れ替わっている。前作では、元オペラ歌手で革命の志士である怪人は群衆に追い詰められて海に飛び込んだが、本作はその後日談として、前半は怪医による改造人間の実験が描かれ、後半は悪党との大乱闘が描かれている。監督の馬徐維邦は怪奇的要素を映画に大胆に取り入れ、中国映画界にホラー映画のジャンルを切り拓いた「恐怖大師」として評価されている。

7.戦火の大地Радуга(90分・35mm・白黒)

  • 2021年5月12日(水) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月15日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月20日(木) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1944(ソ連:キエフ撮影所)(監)マルク・ドンスコイ(原・脚)ワンダ・ワシレフスカヤ(撮)ボリス・モナストゥルスキー(音)レフ・シュヴァルツ(美)ヴァレンチナ・フメレヴァ(出)ナターリア・ウジヴィ、ニーナ・アリソヴァ、エレーナ・ティアプキナ、ヴァレンチナ・イヴァショヴァ

ポーランド出身の女性作家ワンダ・ワシレフスカヤの『虹』(1944)が原作。ドイツ軍に占領されたウクライナの村に出産のため帰ってきたオレーナ(ウジヴィ)は、パルチザン部隊の所在を突き止めようとするドイツ軍に迫害を受ける。ドイツ軍の残虐行為に屈せず沈黙を守る村人たちの一連のクロースアップによって、ウクライナ民衆の粘り強い抵抗を描きだす。

8.諜報員Подвиг разведчика(92分・35mm・白黒)

  • 2021年5月6日(木) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月16日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月21日(金) 2:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1947(ソ連:キエフ撮影所)(監・出)ボリス・バルネット(脚)ミハイル・ブレイマン、コンスタンチン・イサエフ、ミハイル・マクリャルスキー(撮)ダニール・デムツキー(美)モリツ・ウマンスキー(音)ドミトリー・クレバノフ、オスカル・サンドレル(出)パーヴェル・カードチニコフ、アンヴロシー・ブチマ、ヴィクトル・ドブロヴォルスキー、ドミトリー・ミリュテンコ

第二次世界大戦中、ソ連軍の少佐(カードチニコフ)は敵国ドイツの司令部にスパイとして潜入し、いくつもの危機をすり抜けて使命を果たそうとする。様々なジャンルの作品に取り組んだソ連映画の名匠ボリス・バルネットの作品で、ヒッチコックやラングのサスペンス映画を彷彿とさせるスリルたっぷりの活劇。

9.2エーカーの土地Do Bigha Zamin(131分・35mm・白黒)

  • 2021年5月7日(金) 5:45 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月12日(水) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月22日(土) 3:50 PM@長瀬記念ホール OZU

1953(インド:ビマル・ラーイ・プロ)(監)ビマル・ラーイ(原・音)サリル・チョードゥリー(脚)リシケシュ・ムカジー(撮)カマル・ボース(美)ガーネッシュ・バサック(出)バルラージ・サーヘニー、ニルパ・ラーイ、ラタン・クマール

左翼系演劇集団IPTA(インド人民演劇協会)のメンバーを中心に作られた映画。金貸しでもある地主に土地を取り上げられそうになった農民が、都会に出てきて必死に働き、借金を返そうとする。独立直後のインドが直面する問題を、歌唱シーンも含む平易な語り口で描き、観客の共感を呼んだ。第7回カンヌ国際映画祭で国際賞に入選するなど世界的にも評価された。

10.たそがれの女心 他

  • 2021年5月9日(日) 12:50 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月13日(木) 6:10 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月19日(水) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU

| 世界大藝術家シリーズ ピアノ篇 アレクサンドル・ブライロフスキイの華麗なるワルツLa valse brillante (en la b) de Chopin(5分・35㎜・白黒)

1936(フランス:国際大芸術家協会)(監)マックス・オフュルス(脚)エミール・ヴュイエルモーズ(撮)フランツ・プラナー(美)ルネ・ムーラー(出)アレクサンダー・ブライロフスキー

ショパンの演奏で有名なアレクサンダー・ブライロフスキーが「華麗なるワルツ」を弾き、マックス・オフュルスが監督した一篇。撮影のフランツ・プラナーは後に『忘れじの面影』(1948)でもオフュルスとタッグを組む。本作は多分野に渡って活躍した批評家エミール・ヴュイエルモーズが考案し、シネフォニーと名付けた形式の短篇音楽映画で、「世界大藝術家シリーズ」の一本。ほかにディミトリ・キルサノフ、マルセル・レルビエなどもクラシックの名曲の数々をフィルムに収めている。

| たそがれの女心Madame de…(99分・35mm・白黒)

1953(フランス/イタリア:フランコ・ロンドン/アンデュスフィルム/リッツォーリ)(監・脚)マックス・オフュルス(原)ルイーズ・ドゥ・ヴィルモラン(脚)マルセル・アシャール、アネット・ワドマン(撮)クリスチャン・マトラ(美)A・J・ドボンヌ(音)オスカー・シュトラウス、ジョルジュ・ヴァン・パリ(出)ダニエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ

夫(ボワイエ)からもらったイヤリングを内緒で売り払った貴婦人(ダリュー)。それはやがて夫の情婦を経て、貴婦人を想う男爵(デ・シーカ)へと持ち主が変わってゆく。女性の心理描写に卓越したオフュルスは、本作でも流麗なキャメラワークによって恋のデカダンスを優雅かつ華やかに描いている。

11.地の塩Salt of the Earth(93分・35mm・白黒)

  • 2021年5月11日(火) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月22日(土) 12:50 PM@長瀬記念ホール OZU

1954(アメリカ:I.P.C. /鉱山選鉱製錬労働者国際組合)(監)ハーバート・J・ビーバーマン(脚)マイケル・ウィルソン(撮)スタンリー・メレディス、レオナルド・スターク(音)ソル・カプラン(出)ロザウラ・レヴォルタス、ファン・チャコン、ウィル・ギア、ヘンリエッタ・ウィリアムズ、ヴィクトル・トーレス

「赤狩り」の舞台となった下院非米活動委員会での証言を拒否し、ハリウッドから追放された「ハリウッド・テン」のひとりハーバート・J・ビーバーマンが、職業俳優と実際の鉱山労働者などの混成キャストで、ニューメキシコの鉱山を舞台に労働者のストライキを描く。経営者側との対決の行方のみならず、男性労働者たちが抱える女性への差別意識にも焦点が当てられている。

12.イン・ザ・スープIn the Soup(95分・35mm・白黒)

  • 2021年5月6日(木) 2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月14日(金) 6:20 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2021年5月23日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1992(アメリカ/日本/ドイツ/フランス/スペイン/イタリア:ウィル・アライアンス/パンドラ/オデッサ/ホワイ・ノット・プロ/アルタ/ミカド)(製作総指揮)鈴木隆一(製作)ジム・スターク、ハンク・ブルーメンソール(監・脚)アレクサンダー・ロックウェル(脚)ティム・キッセル(撮)フィル・パーメット(美)マーク・フリードバーグ(音)メイダー(出)スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル、ジェニファー・ビールス、ウィル・パットン

映画製作を夢見て500ページにおよぶ脚本を書き上げたアルドルフォ(ブシェミ)だが、資金提供を申し出てきた怪しげな男(カッセル)に振り回され続ける。ブシェミ、カッセル、ビールスといった俳優陣の可愛さがあふれ出ている作品。サンダンス映画祭グランプリ(1992)に輝くなど、90年代アメリカにおけるインディペンデント映画の代表作となった。


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NFAJ所蔵外国映画選集 2021 | 国立映画アーカイブ