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【特集】日本映画史探訪 1940年代の秀作

シネマテーク
  • 広島県
開催期間:5月1日[土]~30日[日]

| 日 程 |  

2021年5月1日[土]~30日[日]


| 会 場 |  

広島市映像文化ライブラリー


| 内容 |  

1940年代は、戦争の激化、終戦、占領下での改革と、日本にとって大きな変革の時期。映画も時代の影響を受けながら、名匠たちが作品に取り組んだ。今月の特集では、木下惠介監督のデビュー作『花咲く港』、阪東妻三郎が名演を見せた『無法松の一生』、黒澤明監督が戦時下の女性たちを描いた『一番美しく』、終戦から間もない頃の恋人たちを主人公にした『結婚』や『素晴らしき日曜日』などを上映し、1940年代の日本映画を振り返る。

5/1[土]『大日向村』

  • 1940(昭和15)年 東京発声、東宝映画(東京)、前進座 84分 白黒 35㎜
  • 監督/豊田四郎
  • 出演/河原崎長十郎、中村翫右衛門、伊藤智子、杉村春子

 農村を舞台にした作品で知られる、和田傳の同名小説の映画化。昭和12年頃、村の人口のおよそ半分を満州(現・中国東北地方)に送り出し、移民の先駆けとなった長野県の大日向村。農地の乏しい大日向村の人々が、様々な紆余曲折を経て、移住を決意するまでが描かれる

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生無料、小・中学生無料

5/2[日]『南海の花束』

  • 1942(昭和17)年 東宝映画 106分 白黒 35㎜
  • 監督/阿部 豊
  • 出演/大日方傳、河津清三郎、清水将夫、杉村春子

 民間航空会社の飛行場を舞台に、南洋の新航路開拓に命を懸ける男たちの姿を描く。大日方傳が厳格そのものの所長を、若き日の河津清三郎や清水将夫らが血気盛んなパイロットを演じ、熱のこもったドラマが繰り広げられる。

  • ①10:30~ ②14:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/3[月・祝]『花咲く港』

  • 1943(昭和18)年 松竹(大船) 82分 白黒 35㎜
  • 監督/木下惠介
  • 出演/小沢栄太郎、上原 謙、水戸光子、笠 智衆

 菊田一夫の戯曲をもとにした、木下惠介監督のデビュー作。九州の島を舞台に、造船所再建の話を種に一儲けを企む二人のペテン師と、純朴な島の人々とが巻き起こす騒動を描く。小沢栄太郎、上原謙、笠智衆ら演技陣のアンサンブルが楽しい喜劇。

  • ①10:30~ ②14:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/4[火・祝]『海軍』

  • 1943(昭和18)年 松竹(京都) 112分 白黒 35㎜
  • 監督/田坂具隆
  • 出演/山内 明、風見章子、滝花久子、小杉 勇

 獅子文六のペンネームでも知られる岩田豊雄の同名小説の映画化。海軍に憧れる谷真人は、江田島の海軍兵学校を経て海軍士官となり、特殊潜航艇に乗り込んで真珠湾攻撃に臨む。田坂具隆監督は、主人公の成長過程に焦点をあわせて描く。(上映作品は、ラストの部分が欠落しています。)

  • ①10:30~ ②14:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/7[金]『無法松の一生』

  • 1943(昭和18)年 大映(京都) 79分 白黒 35㎜
  • 監督/稲垣 浩
  • 出演/阪東妻三郎、園井恵子、月形龍之介、永田 靖

 岩下俊作の『富島松五郎伝』を伊丹万作が脚色し、病床にあった伊丹に代わって盟友の稲垣浩が監督。北九州の小倉を舞台に、喧嘩っ早いが人情に厚い人力車夫・松五郎の生涯を描く。伊丹のシナリオ、稲垣の演出、阪東妻三郎の演技が一体となった名編。

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/8[土]『陸軍』

  • 1944(昭和19)年 松竹(大船) 87分 白黒 35㎜
  • 監督/木下惠介
  • 出演/田中絹代、笠 智衆、東野英治郎、杉村春子

 火野葦平の同名小説の映画化。日清・日露戦争、そして太平洋戦争と、息子たちを戦争に送り出した一家の四代にわたる歩みを描く。田中絹代扮する母親が、出征する息子を見送るラストシーンが印象深い作品。

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生無料、小・中学生無料

5/9[日]『一番美しく』

  • 1944(昭和19)年 東宝 85分 白黒 35㎜
  • 監督/黒澤 明
  • 出演/入江たか子、矢口陽子、志村 喬、菅井一郎

 『姿三四郎』に続く黒澤明監督の第二作。太平洋戦争の末期、軍需工場でレンズ作りに従事する女子勤労挺身隊。黒澤監督は、ドキュメンタリーのような作品を狙い、増産目標を達成するために努力する女性たちのひたむきな姿を描く。

  • ①10:30~ ②14:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/27[木]『明日を創る人々』

  • 1946(昭和21)年 東宝 83分 白黒 35㎜
  • 監督/山本嘉次郎、黒澤 明、関川秀雄
  • 出演/薄田研二、中北千枝子、森 雅之、志村 喬

 戦後間もなく作られた民主主義的な映画の一本。製鋼会社に勤める父、撮影所の記録係をする姉、レビュー劇場で踊る妹、家計のやりくりに頭を悩ませる母。こうした岡本家の人々を主人公に、職場で労働運動が高まりを見せていく様子を描く。

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

5/29[土]『素晴らしき日曜日』

  • 1947(昭和22)年 松竹(大船) 85分 白黒 16㎜
  • 監督/木下惠介
  • 出演/田中絹代、上原 謙、東野英治郎、東山千栄子

 木下惠介の原作を新藤兼人が脚色した作品。松川文江と菅原積は相思相愛の仲だが、文江の父が失業中という家庭の事情が二人の結婚を阻んでいた。田中絹代と上原謙、『愛染かつら』のコンビで、戦後間もない頃の恋人たちを描く。

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人380円、シニア(65歳以上)180円、高校生180円、小・中学生無料

5/29[土]『素晴らしき日曜日』

  • 1947(昭和22)年 東宝 109分 白黒 35㎜
  • 監督/黒澤 明
  • 出演/沼崎 勲、中北千枝子、渡辺 篤、中村是好

 終戦から2年、まだ焼け跡の残る東京の街を舞台にした青春スケッチ。ある日曜日にデートする恋人たちの姿を追い、戦後の厳しい現実と、将来に不安を抱きながらも、ささやかな希望を持つ二人の心情を、一日の出来事に凝縮して描く。

  • ①10:30~ ②14:00~ ③18:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生無料、小・中学生無料

5/30[日]『夜の女たち』

  • 1948(昭和23)年 松竹(京都) 73分 白黒 35㎜
  • 監督/溝口健二
  • 出演/田中絹代、高杉早苗、角田富江、浦辺粂子

 溝口健二監督が戦後の復調を示したとされる作品。終戦直後の大阪を舞台に、夫を戦争で失い、子どもを結核で亡くした妻が、男に裏切られ転落していくさまを、荒廃した街を背景にリアルなタッチで描く。

  • ①10:30~ ②14:00~ 各回限定84席
  • 鑑賞料/大人510円、シニア(65歳以上)250円、高校生250円、小・中学生無料

| イベントURL |  

http://www.cf.city.hiroshima.jp/eizou/calendarNext.html?id=meisaku